議会の質問時間はどう決まる?
国会と地方の違いや「コミュニケーション・デザイン」の視点から、ルールの裏側と地元の事例を分かりやすく解説します。
はじめに
政治のニュースや中継で目にする「議員さんの質問時間」。
実はこれ、単なるスケジュール管理ではなく、明確な根拠とルールに基づいて決められています。
「なぜ野党はあんなに長く話せるのか?」
「地元の市議会はどうなっているのか?」
今回は、意外と知られていない議会の「時間」の決まり方について、地元の事例も交えて分かりやすく解説します。

1. 質問時間を決める「3つのプロセス」
議会の時間は、以下のステップを経て決定されます。
- 会議規則
議会ごとの「基本ルール」に、議長が時間を制限できる権限が定められています。 - 議会運営委員会(議運)
定例会ごとに、各派の代表が集まって「今回は一人何分にするか」を具体的に協議し、合意形成を図ります。 - 議長の宣告
本会議の冒頭で、議長が「質問時間は〇分以内とする」と宣告することで、正式なルールとして運用されます。

2. 国会と地方議会、ルールの「考え方」の違い
国会と地方議会(市議会や県議会)では、時間の配分方法に大きな違いがあります。これは、それぞれの議会に求められる役割が異なるためです。
| 比較項目 | 国会 (衆議院など) | 地方議会 (市議会・県議会) |
| 時間の配分 | 野党(反対派)に 多く配分 | 全議員に 平等に配分 |
| 主な理由 | 政府の仕事を厳しくチェック(監視)するため。 | 地域の代表として、全員が平等に声を届けるため。 |
国会では、行政を監視する役割を重視して「野党8:与党2」といった配分が慣例となっています。
一方、地方議会では議員一人ひとりが住民の代表であるという考えから、一律の持ち時間が設定されるのが一般的です。

3. 「コミュニケーション・デザイン」としての時間制限
ここで少し視点を変えてみると、この「時間制限」は、限られた時間の中で最大の成果を出すためのコミュニケーション・デザインの一種であると言えます。
- 情報の凝縮
持ち時間が決まっているからこそ、議員は伝えるべき情報を整理し、最も重要な課題にフォーカスして質問を組み立てます。 - 対話の質の担保
「往復制(答弁を含む)」か「片道制(答弁を含まない)」かという設計の違いによって、議論の深まり方が変わります。
ルールによって対話の枠組みを整えることは、政治という複雑なコミュニケーションを円滑に進めるための重要な知恵なのです。

4. 【事例紹介】石川県内の議会の現状
地元の議会でも、運用のルールはそれぞれ異なります。
- 金沢市議会
一般質問は一人 40分(答弁を含む)。
短時間で効率的なやり取りが求められます。 - 小松市議会
一般質問は一人 60分(答弁を含む)。
比較的ゆとりがありますが、質問回数は「3回まで」という制限があります。 - 石川県議会
一人 50分〜60分程度。
近年は一問一答形式も選べるようになり、より分かりやすい議論への工夫が進んでいます。

ポイント:
多くの地方議会では「答弁を含む」ルールのため、相手の回答が長引くと質問者の時間が削られます。
そのため、質問者には「簡潔な答弁を促す」といった高度な進行スキルも求められます。
5. もっと深く知りたい方へ
国会での複雑な時間配分や、与野党の駆け引きについては、以下の動画が非常に分かりやすく解説しています。
国会質問「質問時間・質問順」の決め方(youtube)
おわりに
議会の質問時間は、単なる数字の羅列ではありません。
それは、私たちの声をどう政治に反映させるか、先人たちが工夫を重ねてきた「対話のルール」です。
次に議会中継を見る時は、ぜひその「時間の使い方」にも注目してみてください。
【ファクトベース・データ】
信頼性を担保するため、公的根拠に基づく情報をまとめます。
- 【結論】
質問時間と順番は、法律(国会法・地方自治法)に基づき各議会が制定した「会議規則」と、議会運営委員会での「会派間合意(申し合わせ)」によって決定されます。 - 【根拠】
- 国会法 第61条: 委員長による発言時間制限。
- 地方自治法 第104条: 議長の議事整理権(これに基づき各自治体が規則を制定)。
- 各市議会会議規則: 「発言時間は議長が制限できる」旨の規定。
- 【注意点・例外】
国会の時間配分は法律で決まっているわけではなく、あくまで「慣例」に基づき、その都度、議運で交渉されます。また、地方議会でも「片道方式」を導入し、じっくり時間をかける自治体が増えるなど、ルールは常にアップデートされています。 - 【出典】
- 衆議院公式ホームページ
- 参議院公式ホームページ
- 石川県議会ホームページ
- 石川県議会「議会改革の取り組み」
- 金沢市議会・小松市議会 各会議規則
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投稿者プロフィール

- 代表
- 石川県出身。県立工業高校(デザイン学科)・デザイン専門学校を経て、金沢のデザイン事務所等で実績を積み2009年に独立。多くの広告や企業CIを手掛ける中、2000年頃より選挙広報の支援を開始。2022年5月に選挙専門のトーカク株式会社を設立し代表取締役に就任。写真撮影やドローン空撮が趣味
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