情報を集めるのに時間をかけたくない。でも、変な人に投票して損もしたくない。
そんな「コスパ・タイパ」重視のあなたにこそ使ってほしいのが、実は「選挙公報」です。
プロのデザイナー視点で見ても理にかなっている、公平で無駄のない「マシな候補者」の探し方をご紹介します。
前回の記事では、「ベストな人」ではなく、最悪を避けるための「マシな人」を選ぶことが、自分を守る自衛手段になるというお話をしました。
「頭では分かったけど、じゃあ具体的にどうやってその『マシな人』を見つければいいの?」
今回は、そんな疑問を持つあなたに、最も手軽で、かつ公平なツール「選挙公報」について深掘りします。
そもそも「選挙公報」って何?
選挙の時期になると、家のポストに新聞みたいな紙が投函されていたりするアレです。それが「選挙公報」です。
これは、候補者の氏名、経歴、政見(政策や意見)などが掲載された公式の文書です。
法律(公職選挙法)によって、市区町村の選挙管理委員会は「原則として、投票日の2日前までに全世帯に配布すること」と定められています。
「え、ウチ届いてないかも?」という人も大丈夫。
選挙が告示(スタート)されれば、各自治体のホームページ(選挙情報ページ)でPDFなどで公開されます。
スマホからでもすぐに見ることができます。

なぜ「選挙公報」が使えるのか?
ネット検索やSNSだと、声の大きい人や、フォロワー数が多くて目立つ人の情報ばかりが目に入ってきがちです。
しかし、選挙公報は違います。
最大のメリットは「同じ制限の中での比較」ができることです。
選挙公報には、同じ選挙であれば全員に共通する厳しいルールがあります。
- 割り当てられるスペース(枠の大きさ)は全員同じ
- 使える色は「黒一色」のみ
しかし、その枠の中をどう使うかは、意外なほど自由です。
名前を極太で書く人もいれば、細かい文字で政策をびっしり埋める人、写真やイラストをうまく使って見やすくする人など、様々です。
全員が同じ状態で、どう表現するか。
ここを見比べることで、候補者の「性格」や「情報を整理する能力」が、嘘みたいにハッキリと見えてくるのです。
「なんとなく」で選んでOK。最初のステップ
いきなり難しい政策を理解しようとしなくても大丈夫です。まずは選挙公報をざっと眺めてみてください。
選び方は、驚くほどシンプルで構いません。
- 「写真の雰囲気がなんとなく良さそう」
- 「自分と同じようなことを言っている気がする」
- 「なんとなく、この人に会ってみたいな」
そんな感覚で「マシかも」と思う人を一人見つけてみてください。
そして、一番大事なのは「とにかく投票所に行って投票する」ことです。

投票すると、街の見え方が変わる
不思議なもので、一度自分で投票すると、「あの人、当選したかな?」と結果が気になり始めます。 ニュースを見ていても、「自分の街のこと」として捉えられるようになります。
それだけで、あなたはもう十分に街の未来づくりに参加しているし、貢献できています。
自分の住む街に関心を持てるようになるなんて、ちょっとおトクな人生だと思いませんか?

【候補者・政治家の皆さんへ】
これからは「デザイン」が問われます
最後に、もしこれを読んでいる候補者や政治家の方がいたら、お伝えしたいことがあります。
有権者は、あなたが思っている以上に忙しく、そしてシビアに情報を取捨選択しています。 選挙公報のような限られたスペースで、いかに自分の政策や想いを直感的に伝えられるか。
これからの時代、情報を分かりやすく翻訳して届ける「紙面のデザイン力」や「伝える技術」が、選挙戦の大きなカギを握ることになるはずです。
【主な出典・根拠法令】
- 選挙公報の発行義務と配布期限
公職選挙法 第167条〜第172条の2 (第170条第2項にて「選挙の期日前2日までに配布」と規定。※天災等による例外あり) - 掲載のルールと公平性
公職選挙法 第168条、第169条および各自治体の条例 (掲載順序のくじ引き決定、同一選挙におけるスペースや掲載方法の統一などにより公平性を担保。一方で、枠内の表現については公序良俗に反しない限り候補者の裁量が認められている) - 参考資料
総務省「選挙公報について」 e-Gov法令検索「公職選挙法」
投稿者プロフィール

- 代表
- 石川県出身。県立工業高校(デザイン学科)・デザイン専門学校を経て、金沢のデザイン事務所等で実績を積み2009年に独立。多くの広告や企業CIを手掛ける中、2000年頃より選挙広報の支援を開始。2022年5月に選挙専門のトーカク株式会社を設立し代表取締役に就任。写真撮影やドローン空撮が趣味
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